言うことを聞かない年上の部下対応法はこれだ! 

マネージャーの皆さんの部下は仕事の指示を素直に聞いてくれますか?特に自分より年上のベテランの社員はやりづらいですよね。年も上だし社歴も上。場合によっては今の職場では年上の部下の方が仕事の実態をよく知っているかもしれません。

今回は新任課長の鈴木さん(38歳)が年上の部下に仕事を指示しましたが、素直に受けてくれないケースをご紹介します。皆さんならどうされますか?
今回は心理学の知識を応用してどう接したら良いのかをご紹介します。年上の部下であっても接し方が楽になりますよ。

部下が指示を聞いてくれない事例

この道30年のベテラン部下の黒川さん。仕事は地道にしっかりやってくれますが、急な指示には抵抗されます。また年下の上司である鈴木さんにはどうやら面白くない感情を持っているようです。
ある日のこと、鈴木さんは関連部門から急な仕事を依頼されたので、この仕事を良く知っている黒川さんに依頼します。
鈴木課長:関連部門から依頼されたんですが、この仕事やってくれますか?
黒川さん:・・・(じろっとにらんで)今、手がいっぱいでできないよ・・・(無表情で)。
鈴木課長:こまったな、関連部門がお客様の要望を受けてきたので対応することが必要なんですよ。
黒川さん:急に言われても、できないものはできないよ(無表情で)。
鈴木課長:そうか・・・困ったなあ。
(自分でやるしかないかなあ)

黒川さんは鈴木課長を無視して、今着手中の仕事を黙々とやっています。
さて、皆さんはこういう場面でどうしますか?

解説1 年上の部下の心理を研究する

まずは部下の心理研究が必要でしょう。
ベテランの黒川さんの心境は「手慣れた仕事は自分のペースでやり、ミスなくやりたい。計画変更はやりたくない、もしやるなら早めに言ってほしい」という気持ちがあります。

その気持ちを軽んじる上司に対しては、
「部下のやっている仕事の状況が見えないのか」
「他の職場やお客様に言われっぱなしで調整できないのか、交渉力のない上司だ」というところでしょうか。
いずれにせよ黒川さんは上司に対してリスペクトの気持ちはなく見下した感じさえします。

筆者の経験から、年上の部下には
1.年上として、人生の先輩として敬意を示す。敬語で接する。
2.仕事では遠慮しない。なぜこの仕事が必要かを冷静に事実ベースで伝える。
3.得意案分野をやってもらう。
4.上司が一生懸命やっている姿を見せる。
5.べテランの部下より、ある分野では上司のスキルや知識が高い姿を見せる。

上記で言うと、鈴木課長は敬語では接していますが、仕事の指示は黒川さんに遠慮していますね。この仕事がどうしても必要だということは伝えていません。

真面目なシニア

解説2.心理学を応用しよう

部下を含めた他者とのやりとりの仕方を学びましょう。世の中には対人関係についてまとめた応用的な心理が学があります。人格適応論と交流分析が今回のケースでは役に立ちますので、一つずつ説明します。

(1)人格適応論の活用

人の行動や感情を6つの類型に分けた人格適応論という非常に実践的な心理学があります。
人格適応論とでは、緻密確認型、お茶目な反抗型、実直遂行型、喜ばせよ演技型、やり手ワンマン型、引きこもり型の6つにタイプがあります。詳しくは下記ブログ(下線部を引いた部分をクリック)をご覧ください。

①非常に緻密繊細だが、質問や理屈の多い「緻密確認型」
やたら質問の多い部下
②普段は冗談が好きで明るいキャラだが、仕事を指示すると素直に聞かない「お茶目な反抗型」
あー言えばこういう、指示に従わない部下
③真面目に仕事をするが状況が変わっても融通が利かない「実直遂行型」
あー、堅い、柔軟性に欠ける部下
④明るく愛想は良いが、仕事や人の好き嫌いがある「喜ばせよ演技型」
落ち込みやすい部下
⑤話がうまく仕事は精力的だが、時には上司を脅す「やり手ワンマン型」
上司を脅す強気の部下
⑥真面目に仕事をするが、黙っていることが多い「引きこもり型」
無口で引っ込み思案の部下

これによりますと黒川さんは①の「緻密確認型」と⑥の「引きこもり型」の両方にになるでしょう。
この①の「緻密確認型」タイプは緻密に正確に理論的に仕事をします。一方で急な仕事は嫌がります。仕事をする正しい理屈が通らないと納得せず取り組まないという傾向があります。また②の「引きこもり型」は無口であまり状況を説明してくれません。

そこで、この「緻密確認型」の部下には、なぜこの仕事が必要か、どう対応する必要があるのかを説明します。そして部下が納得いくまで意見交換する必要があります。
また「引きこもり型」の部下は意見も十分言ってくれないので上司側から「こう言うことでいかがでしょうか」と提案をして意見を引き出す必要があります。
時間がかかるかもしれませんが、このタイプの部下はいったん納得して仕事に取り掛かると精度の高い仕事をしてくれます。

(2)交流分析の活用

交流分析は体系だった人間理解の心理学ですが、その中の「やり取り分析」という理論が役立ちます。詳しくは下記のリンクをクリックしていただけますか。
TA(交流分析)による部下育成研修

まずは黒川さんの気持ちに合わせることをやってみましょう。相手がこちらに期待している気持ちを推測してこちらがその気持ちに対応して会話することを平行交流と言います。まず与えられた仕事をミスなく黙々とやっている黒川さんの気持ちに添う必要があります。
そして緻密に論理的に話す黒川さんにデータをもとに新規の仕事の必要性を丁寧に話す必要があります。心配性の黒川さんにリスクは少ないという説明をして安心させます。さらに自分の気持ちを説明するのが苦手な黒川さんに「こうしたらいかがでしょうか」と具体的に方法を提案します。
もちろん色々質問は受けるでしょうが、丁寧に返答します。

改善事例

鈴木課長は、黒川さんの「仕事はいっぱいいっぱいだ」と言う言葉を聞いて、本来は
「とはいっても外部からの依頼だからやらざるをえないでしょう。調整してください」と言いたかったのですが、遠慮して言えませんでした。
そこで改善事例では、鈴木さんは黙るのをやめ、いったんは黒川さんの気持ちを受け止め平行交流の会話にします。

笑顔の課長鈴木課長

そうですか(パソコンでメンバーの予定表を見る)今、A社さんへ来週納品の製品の仕上げのピークなんですね。A社さんは品質管理が厳しいから神経を使いますね。

黒川さん黒川さん

そう、ミスは許されない。

笑顔の課長鈴木課長

そうですね。重要ユーザーですからね。よろしくお願いいたします。

黒川さん黒川さん

・・・(黙ってうなづく)

笑顔の課長鈴木課長
さて、ちょっといいでしょうか。
実は、さらに取引量の多い超重要ユーザーのB社さんから急遽注文が入ったんですよ。量はそんなに多くないんですが、納期は来週中なんですよ。単価はA社の5割高だし営業はぜひ受けたいと言っています。
私も今後のことを考えるとぜひ対応したいと思います。黒川さんのご意見を伺いたいんですが、どういうやり方が考えられるでしょうか。
黒川さん黒川さん
うーん・・・。すぐ質問されても答えられないよ。
笑顔の課長鈴木課長
例えば、A社さんの納品を3日遅らせることで営業と交渉しましょうか。A社さんはまだ在庫が0.5か月分あるので、3日遅れても了解いただけるかと思います。
黒川さん黒川さん
A社さんがうんと言うかな。たとえ、A社さんの仕事を3日遅らせても、B社さんの仕事ができるかどうかは計算してみないとわからない。B社さんの仕事が間に合わなかったら引き受けるとかえって迷惑になる。
笑顔の課長鈴木課長
では至急、営業とA社さんの納品を3日遅らせることで交渉します。関連部門にはB社さんに納期がタイトで遅れる可能性があることは言っておきます。
黒川さん黒川さん
それならいいが・・・。
笑顔の課長鈴木課長
黒川さんはB社のお仕事をいつから着手するか、A社さんの仕事の段取りも含めて、明日の定時までに作業の変更について考えていただけませんか?
黒川さん黒川さん
結構厳しいな。明日の昼までにできるかな。
笑顔の課長鈴木課長
では夕方まででお願いします。
黒川さん黒川さん
ぎりぎりは嫌だから、昼を目指して頑張るよ。
笑顔の課長鈴木課長
ありがとうございます。では、よろしくお願いいたします。
では明日の昼にまた様子を伺いに来ます。
黒川さん黒川さん
わかった。B社さん向けの工程表を書いておくよ(最後まで笑わない)

まとめ

「指示を聞かない」年上の部下には
(1)年上の部下には①敬語で接する②遠慮しない③得意な分野をやってもらう。④上司が一生懸命な姿を見せる⑤上司の専門性の高さを見せる が必要です。
(2)部下がなぜ上司の指示を聞かないのか原因を考える。人格適応論と交流分析が役立つ。

(3)部下が人格適応論の「緻密確認型」なら早めに具体的な事実と要望を伝える。失敗を恐れ、完璧にやりたがる気持ちを尊重して、質問を十分に受ける。
また「引きこもり型」も入っていると、自ら発言はしないので「こうしたらいかがでしょうか」と提案し、考えを述べてもらう。

(4)年上の部下の気持ちを推測して、それに合った会話から入る。反応があったら、まずは受け止める。
(5)具体的な仕事の対応につては事実をもとに話し合う。

こういうような対応を実践していけば、このタイプの年上の部下とはスムーズにやり取りができるでしょう。

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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。国内外1500人のリーダー元気に課題遂行や部下マネジメント強化の研修を行ってきた。
日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
お客様の現場に入り問題解決し、「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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