言うことを聞かない若い部下の対応法はこれだ!

マネジャーの皆さんの部下は仕事の指示を素直に聞いてますか?特に入社1~2年目の若手社員はいかがでしょうか?今回は職場の目標設定のミーティングを開催しようとしたら、若手の部下がミーティングの途中でs私用(飲み会)のために抜けると言いだした事例です。会議の開催自体は事前に言ってあったのに、こういう発言をされると上司としてびっくりしますね。自分の価値観ではありえないと思うでしょう。

こういう場合は皆さんはどうしますか?
「何を言っているんだこの打合せは仕事だぞ」と怒って言いますか?強引に参加せますか?それとも若い部下の主張を受け入れますか?
今回はこういう若い部下の思いもよらない言動にどうしたら良いかをご紹介します。

部下が指示を聞いてくれない事例

明るいけど自分のプライベート中心の入社1年目の部下青山さんの事例です。指導員の真面目な性格の山田さんも指導に困っているようです。
朝のミーティングで課長の鈴木さんは課員に連絡します。
課長「明日の午後は予定通り、職場の目標設定ミーティングだ。資料を準備して置くように」と言うと
青山さんは「明日は学生時代のサークルの飲み会が入ったので、フレックスを使い16時で失礼します」とあっけらかんに言います。
鈴木さんはあきれはてて黙ってしまいました。開いた口がふさがらないと言う状態です。怒りもあったのですが、驚きの方が強く何も言えませんでした。
青山さんはまだ学生時代の気分が抜けないようです。

皆さんなら、こういう場面でどうしますか?

その後の対応1  若い人の心理を研究する

今の若い人の心理がわからないので、鈴木課長は若者の心理が載った本を何冊か読みました。
「若者わからん!ミレニアム世代はこう動かせ」原田曜平著(ワニブックス)にはヒントが書いてありました。ミレニアル世代とはアメリカでは30代前半も含みますが、日本で大学生中心に20代の若手を指すことが多いようです。
この本によるとミレニアル世代の特徴は
1. 表面は柔和、従順、反抗的な人は少ない。
2. 上司・教師などこの人は無理と思うと内心でブロックする。縦の人間関係は慣れていない。SNSでは横の知り合いは数千人いる。
3. 自発性は少ない。嫌なことは頑張らない、我慢しない。
4. ガツガツしない、まったりしたい。欲望が少ない。良い雰囲気、居心地の良い職場にいたがる。
5. 周囲の都合よりも自分の都合中心。同世代の仲間も同じなので悪いことだとは思っていない。

なるほど、最後の5の自分の都合中心というのは青山さんの場合には当てはまると思いました。多分、自己主張すれば学生時代と同様、職場でも上司も言うことを聞いてくれると思ったのでしょう。
今までは高校や大学では自分の都合を言えばいうことは、先生も認めてくれて主張が通ったみたいです。

その後の対応2 部下とのスムーズに会話が行く勉強をする

また鈴木さんは色々な人とのやりとりの仕方も学びました。人事部主催のセミナーで交流分析(注1)や人格適応論(注2)を学びましたが、これらはは役立ちそうです。
まずは青山さんの気持ちに合わせることをやってみました。交流分析では「やり取り分析」と言いますが、相手がこちらに期待している気持ちをまず予測して、その後それに対応する会話をします。これを平行交流と言うそうです。
まだ学生気分の抜けない青山さんは無邪気に気のいい先輩に話すように、学生時代のサークルの飲み会のため、会議を抜けますと言ったんでしょう。「何を言ってるんだ」と叱責すると青山さんの気持ちには沿わないのでやり取りは途切れます。青山さんは黙って心を閉ざすでしょう(もちろん、これな青山さんの「甘え」です)
これに対して鈴木さんは習った「やり取りが上手く行く方法」を取り入れました。鈴木さんは不本意ながら青山さんの学生気分で話す気持ち(甘えです)に寄り添う発言を鈴木さんは考えました。

指導する

(注1)交流分析:カナダ生まれのアメリカの精神分析医エリック・バーン博士が開発した優しい心理学。
フロイドが開発した精神分析の深さを保ちながら日常用語を使い理解しやすい内容にしている。
英語ではTransactional Analisys(略してTA)世界中に広がっている。このブログでは相手とスムーズ
なやり取りができる「やり取り分析」を紹介している。

(注2)人格適応論:人の性格・行動パターンを6つのカテゴリーに分け、信頼関係ができるアプローち、反
対に相手が防衛するアプローチを解説していて非常に実践的。このブログで紹介した青山さんは「お茶
目な反抗型」に入り、正論で説教するとのらりくらり対応されスムーズに会話ができなくなることが紹
介されている。下記著書をご参照願います。
苦手なタイプの部下の指導育成のコツ~課長必携~

改善事例1

鈴木さんは黙るのをやめ、いったんは青山さんの気持ちを受け止め平行交流にします。

柔らか課長

明日は、職場の目標設定ミーティングだ。資料を準備しておくように。

笑顔青山
明日、サークルの飲み会が入ったので、フレックスを使い、16時で失礼します。
やや深刻課長

飲み会か・・・、楽しそうだね(驚きと怒りで顔は少し引きつるが、青山さんの気持ちに合わせて言葉は平行交流をする)

笑顔青山
はい、卒業以来久しぶりなので。
(嬉しそうに言う、課長の表情には気が付かない)

<解説>
鈴木さんは、青海さんの「フレックスを使い16時に失礼します」と言う言葉を聞いて、本来は「バカヤロー、何を考えているんだ!学生時代じゃないんだぞ、大事な目標設定ミーティングだ、仕事だ!」と言いたいところでしたが、深呼吸して少し冷静になります。

「人事部での新人研修はこういうことを教えないのか。新人指導員の山田さんは普段、何を指導しているんだ」と思いましたが、指導員の山田さんが青山さんの指導に苦労しているのを思い出しました。真面目に「こうしなさい」と言ったら、ふざけて時間延ばし的な反抗をするか、ぷいっとふくれて横を向くようです。
「そうか、このタイプはストレートに指導しても反発したりノラリクラリされるんだな」と考え直しました。

鈴木課長の顔はまだ少し怒りで引きつっていますが、習った交流分析のやり取り分析で言う効果的なコミュニケーションの一環として、まずは相手の気持ちと同調することにしました。自分を怒りを出さず冷静な気持ちに自分をコントロールして相手の気持ちに沿って「飲み会、楽しそうだな」と言いました。すると、青海さんはにっこり笑って「はい、卒業以来久しぶりなので」と嬉しそうに答えます。
内容のいい悪いは別として、二人のやりとりは平行交流になり関係(気持ちの交流が)がスムーズに行っています。

これで終わると若い部下のわがままを認める、甘やかしただけで終わります。そういうわけにはいきません。若い部下に社会人の在り方を教える必要があるので、その後、丁寧にミーティングの必要性を伝えます。

改善事例 続き

やや明るく課長
プライベート飲み会はやってもいいけど、自分の自由な時間にやること。
明日の職場のミーティングは先週みんなの予定を聞いて決めたんだ。君も大丈夫と言ったよな。
後で予定が入こともあるけど、みんな先に入れた予定を優先して後の予定を断ったりしている。
みんなここしか時間がとれないので君も優先して欲しい。
笑顔青山
わかりました。最後までいます。
笑顔課長
うん、そうしてくれ。サークルの飲み会はまた次回にでも参加したら良いね。
<解説>

ミレニアル世代の多くの部下は礼儀正しいですが、自分中心な部分があります。一方で、叱られた経験が少ないので、いきなり上司が怒鳴りつけると上司から心が離れます。新人が3年で3割が就職した会社を辞める時代です。いきなり叱ると辞めるかもしれません。基本は素直な性格で社会のルールは守りますので、丁寧に職場での会議の必要性を説明すると納得してくれます。
20歳は過ぎていますが、まだ精神状態は子供の部分が多く残っています。噛んで含めるように、丁寧に必要な理由を話していくと。最後は理解し行動してくれます。

読者の中には上司なのに部下に対してちょっと弱腰では?と言う人がいるかもしれませんね。
これはそうじゃないんです。丁寧に教えれば指示に従ってくれるのですが、やり方が違うだけです。
人事部の新人研修では社会人としての心構えやマナーは学んでいます。ただ、具体的に、プライベートと仕事がバッティングした場合に上司にどう説明するかの具体的なトークまでは教えていないと思われます。マニュアル世代と言われていますが、場面、相手に合わせた具体的なトークを教えられていないだけです。

こういう世代に育てられてしまった経緯も考える必要があります。親世代も物わかりが良くて、基本的なマナーは教えていない、学校で先生も教えていません。上下の関係の厳しい部活動に入っていなければ言い方なども学んでいません。
ただ素直で理解力やSNSで培った知識は上の世代よりあるので丁寧に教えれば指示に従います。
甘やかすのではなく、その世代の特徴を良くつかんで指導育成しようというのが趣旨です。
鈴木課長は若い部下に対してどう接するかの研修を受けてかなり対応がうまくなっています。
その研修は下記の通りです(ダブルクリックしてください)。
部下がはつらつ動くようになるTAによる育成力強化研修

まとめ

「指示を聞かない」若手の部下には
(1)なぜ聞かないのか原因を考える。多くは自分中心の考え方。まだ学生気分が抜けていない。
(2)それに合わせた方法を考える。まずは若い部下の気持ちを受け止めた会話をする。
(3)次に冷静になぜ上司の指示を聞かないとだめかを丁寧に伝える。
(4)最後は期待していることを伝える。

この対応を実践していけば、このタイプの若手の部下は素直に伸びていくでしょう。

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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。国内外1500人のリーダー元気に課題遂行や部下マネジメント強化の研修を行ってきた。
日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
お客様の現場に入り問題解決し、「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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