言うことを聞かない部下への対応法はこれだ!

マネジャーの皆さんは部下に仕事を指示する時に素直に聞いてもらえていますか?今回は急ぎの仕事を部下にやってもらいたいのになかなか指示を聞いてくれなくて困る上司が登場します。
こういう場合は皆さんはどうしますか?やって欲しい仕事の背景や理由を説明して強引にやらせますか?その場合、部下は不満を溜めるでしょう。
それとも上司自ら自分でやってしまいますか?それでは上司はいつまで経っても仕事を抱えてしまし、新しい事や難しい仕事ができなくなってしまします。
今回はどうしたら良いかをご紹介します。

1.部下が指示を聞いてくれない事例

マネージャーのあなたが、専門的な分析の仕事を部下(28歳男性)に依頼します。
あなた「急ぎの仕事なんだ、来週初めまでやってくれるか」
部下「無理です。出来ません」(ぷいっと横を向く)
あなた「これ急ぐんだよお客様が待っているんだよ」
部下「今やっている仕事で一杯なんです!!(顔を見ないで)」
あなた「・・・・」

これで会話は切れてしまいます。結局残業して自分でやることにしました。残業しながら「あー自分は仕事の指示の仕方が下手だなあ。マネージャー失格だなあ」と自己嫌悪に陥っています。
ではどうしたらいいのでしょう?

2.部下が指示を聞いてくれない理由

大きくは下記の理由があると考えられます。
(1)部下の性格自体に問題がある
(2)部下が保守的で、定例の言われたこと以外やりたくない
(3)上司に不満がある(コミュニケーションの問題)

(1)部下の性格自体に問題がある

部下も色々な性格の人がいますね。自分のやりたい仕事しかやらない、わがままな非協力的、不服従の部下がいると困りますね。こういう部下はあなたの仕事以外にも職場では問題を起こしていることが考えられます。
こういう場合、上司は指揮命令権がありますから指示に従わない部下はペナリティ(減給など)を与えることが出来ます。この場合、人事担当者と連絡して、指示に従わない事実をメモして警告しながらペナルテいを与えたら良いかと思います。ただ今の20歳代の人は概ね大人しく柔和(表面上は)という性格の人が多いようです。今回のケースでもこの部下は普段はコツコツと真面目に仕事をするようなので(1)ではないようです。

(2)部下が保守的で、定例の言われたこと以外やりたくない

このタイプの部下は確かにきちんと仕事をやる性格ですが、自分で緻密に計画を立てて段取りよく仕事をやります。急に入って来た仕事は自分のペースを乱されるのでやりたがりません。
丁寧すぎるくらいにきちんと必要性を説明をして部下の意見を聞いて早めに仕事を依頼すればやってくれるでしょう。

(3)上司に不満がある(コミュニケーションの問題)

すると部下は上司に何らかの不満があると考えた方が良さそうです。どうしてでしょうか?普段のコミュニケーションはどうでしょうか?
これは筆者もサラリーマン時代に思い当たる節があり、冷汗が出る思いです。あの時は出張が多く殆ど席にいませんでした。部下に色々するお願い事は電話かメールで行いました。時にはどさっと大量の依頼をして電話越しで息が止まっているのが聞こえていました。その後のフォローをしていませんでした。「仕事だから当たり前じゃないか、俺だって20代の時はそうだった」と思っておりました。今思うと心の繋がりがなかったんですね。段々、私の仕事の指示に対していい顔をしなくなりました。

今回のケースもこれに当たりそうです。週の初めにどっさり仕事を依頼して、それが終わらないうちに次の仕事を依頼したので、部下の不満が積み重なって反抗的になったようです。上司が悪いですね。

3.部下が指示を聞かない場合の対応方法

ではどうしたら良いでしょうか?
ここでは交流分析(TA:Transacional Analisys)と言う心理学の一手法を用いてスムーズなやり取りが出来るようにしたいと思います。

あなた:「この分析の仕事、やってくれるか、急ぎなんだよ」
部下「無理です。出来ません(無表情で)」
あなた「あ、そうか・・・、今仕事が満杯なのかな?今週始めもお願いしたよね」
部下「そうです。その仕事でいま手いっぱいです。残業もしないと終りません(少し怒りの声で)」
あなた「そうか、都合を聞かなくて悪かったね。今週初めにお願いした仕事の進捗も聞いていなかったね」
部下「(無言)
あなた「実はこの仕事、重要なお客様からの急な要望があってね。次の大きな商談にもつながるので、会社としても早く対応して信頼度を上げたいんだよ」
部下「今やっている仕事で一杯なんです(不愛想に)」
あなた「そうだったね。都合を聞かなくて悪かったね。次から、君の状況を聞きながらお願いするようにするよ。
すると、教えて欲しいんだけど、この仕事だけど、どうやったら良いかアイデアを聞かせてくれないか」
部下「・・・・・今週始めに頼まれた仕事、来週でもいいですか(少し例背になって)」
あなた「そうだね、関連部門から依頼された仕事だけど、1週間伸ばしてもらうよう頼んでみるよ。後、何かやることがあるかな」
部下「では、その仕事は関連部門が持っている特殊な分析装置が必要になります。借りれるように先方の上司に依頼してもらえますか(かなり冷静になって)」
あなた「わかった、関連部門に依頼するよ。あと何かサポートする事あるかな」
部下「そうですね・・・、まあ、何とかやれると思います(冷静になって落ち着いた顔で)」
あなた「ありがとう、頼むよ。明日また状況を聞かせてね」

解説
この会話のやり取りは交流分析の「やり取り分析」と言う理論を使っています。
部下が素直に指示を聞いてくれない場合、まず何が起きているか冷静に様子をみます。そして何が部下の抵抗している原因か仮説を立てます。どうやら今週初めに指示した仕事が一杯で新たに仕事を受ける余裕がないなのだと仮説を立てて、それを確認します。確認したところ、部下はそうだと答えます。
本来はこの上司は指示をしっぱなしでその後の進捗を確認していないという大きな問題がありますが、それは後程、解説します。
部下の返事で、今週の初めに指示した仕事で目一杯で残業もしなければいけないと言う状況が分かりました。「仕事を指示しっぱなしで、進行状況を確認しなかったので悪かった」と謝ります。この陳謝で部下の気持ちは少し落ち着きます。部下が「無理です、出来ません(無表情)」と言うのは内心では怒っています。その怒っている気持ちを受け止め「悪かった」と謝ることで部下の気持ちは落ち着きます。
TAのやり取り分析では、相手が自分に期待していることをまずは受けめて期待通りに反応する(ここでは謝る)と関係がスムーズになると言っています。

そこで今後どう対応したらよいかと冷静に問題解決を共に考えるように持ちかけます。すると部下は少し冷静になって”特殊な分析装置を借りられるように”と言う案を出してくれました。これは怒りの気持ちから徐々に冷静に問題解決をする心理状態に切り替わりつつあるということです。そこで上司が”関連部門に自分が依頼する”サポートできる事を伝えると”何とかやります”と指示を聞いてくれるようになりました。これは部下の冷静に考えた提案をしっかり上司が受け止めてくれたので会話がスムーズに行くようになったのです。

最終的には何とか指示は受けてもらいましたが、基本的には普段のコミュニケーション不足による信頼感がなかったというのがこのベースにありました。

読者の中には上司なのに部下に対してちょっと弱腰では?と言う人がいるかもしれませんね。
確かに、強気で「上司が言っているのになんだその態度は」とか「やるといえばやるんんだよ残業してもやれ」と言えるかもしれません。その場合、部下は部下のしぶしぶやるので品質は落ちるでしょう。上司への不満はさらに積もります。SNSで友人に「あの上司は外れだ」と拡散するでしょう。また「パワハラだ」とか「横暴な上司に我慢できないので違う部署に行きたい」と人事部門や経営層に直訴される可能性があります。
さらに不信感がつもれば会社を辞めるかもしれません。近年、「大卒社員は3年で3割やめる」と言われますが、入社3年以上経った社員も簡単にやめます。転職市場も活性化しており、終身雇用性も崩れてきています。「居心地が悪い、上司を含め職場の人間関係が悪い」と言う理由で簡単にやめます。SNSでつながって来た人を不愉快な言動をされたら簡単にブロックするように職場の人間関係や勤務している会社との関係を簡単に切ってしまうのに抵抗がない世代が増えています。
少子化の影響でしょうか、この数年、大手企業でも新人の採用数の確保に苦労しています。せっかく苦労して採用した真面目で有能な部下を失なうのは会社にとって大きな損失ですね。会社の大事な戦力(経営資源)を大切にしないのは管理職としての資質を疑われます。

ビジネスマンには人間観察が必要だと言われています。営業だったらお客様の性格、行動パターンを研究するでしょう。昭和時代は上司の思考、嗜好、行動パターンを研究して上司が喜ぶよう「忖度する」のが気配りと言われてました。今の時代は若者の心理を研究する時代ではないでしょうか。心理がわからないならわからないなりに丁寧にコミュニケーションを取ってより若者の心理を理解しなければ、スムーズな仕事の指示が出来ない時代になったということではないでしょうか。

4.他に考えられる指示を聞かない理由

先にご紹介した3つの理由以外に次の二つも部下が指示を聞かない理由にあげられます。

(4)上司への不満(人格、能力)

例えば、上司の指示することが良く変わる。見た目が不潔・だらしない、志が低い、愚痴をよく言う、言葉づかいが乱暴、専門知識がない、最近の技術がわかっていなくて、仕事が出来ない・・・。
いやはや、こういう上司にはついていきたくないですね。上司は鏡を見て自分を見直すべきとこです。
他の上司との比較で自分が部下から信頼されていないか、もしくは軽蔑されているかよく見た方がよろしいかと思います。ただ自分一人では気づきにくいので、時には同僚や上司から自分ヘの率直なフィードバックを聞くと良いと思います。多くの企業が取り入れている360度多面評価などは自分に気づく良い機会です。

(5)指示される仕事が面白くない

能力が高く意欲のある部下にとって同じ様な雑用ばかりさせられているとうんざりします。
こういう部下には少し長い目で見て能力を伸ばす未知の仕事をやってもらうことが役立ちます。いきなり未知の仕事を任せると驚きますので、本人の希望を聞きながら新しい仕事をやってもらうと部下本人の成長と意欲アップにつながります。

まとめ

「指示を聞いてくれない」部下には
(1)なぜ聞いてくれないのか原因を考える。それに合わせた方法を考える。
(2)自分の指示が不適切な場合は、まず謝まる。さらに原因を聞く。
(3)どうしたら一緒に上手くいくか考えてもらう。上司として出来ることを提案する。
(4)自分もたえず能力アップのための研鑽する。身なりに気を付ける。上司や同僚に自分の行動にフィードバックしてもらう。
(5)部下と面談して部下のキャリアップ、能力アップのための仕事をともに考える。

基本は「若者の心理研究」です。丁寧にコミュニケーションを取って、この対応を実践していけば、このタイプの部下はますます優秀な能力を発揮するでしょう。

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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。国内外1500人のリーダー元気に課題遂行や部下マネジメント強化の研修を行ってきた。
日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
お客様の現場に入り問題解決し、「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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