即実践可能!年上の部下への敬語の使い方、7つのポイント!

管理職、職場リーダー、プロジェクトリーダーとして年上の部下・メンバーに対して、どうつきあって良いか悩んでいる方は多いと思います。マネジメント研修では年上の部下に対して下記のポイントをお伝えしています。

人生の先輩として尊重する、遠慮はしないが、配慮する、得意な分野をやってもらう、年下の上司として一生懸命やる~得意分野を光らせる~、
言葉使いはOMOTNAS(おもてなし)~お願いします、まあまあ、教えてください、助かります、何をおっしゃいますか、そこを何とか~
以上は介護職場で働く方々がご高齢の方と接する時の対応から学べる点があるんで介護型リーダーシップと呼んでいます。

年上の部下に困った時には「介護型リーダーシップ」がおススメ!

1番目の項目(人生の先輩として尊重する)を研修でお話ししたところ、「どういう言葉で話せばよいのか」と言う質問をいただきました。部下だから対等としていわゆる「ため口」(友達言葉)が良いのか、敬語が良いのかということです。
今号では年上の部下にどういう言葉遣いや態度で接するかをお伝えします。これがわかればあなたは年上の部下に自然と接することが出来るでしょう。

1.年上の部下には敬語を使うのが大原則

丁寧に

最初にお伝えしたように人生の先輩に対して敬意を示すために敬語を使いましょう。
敬語は一般的に、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類に分けられます。

尊敬語は下記の3つです。
(1)動詞におをつける(例)書く→お書きになる、聞く→お聞きになる
(2)動詞とまったく違う言葉に変えたもの(例)行く→いらっしゃる、言う→おっしゃる
(3)動詞に「れる」をつける(例)来る→来られるがあります。

謙譲語は自分をへりくだった表現です。(例 行く→参る、お邪魔する)がありますが、これは余りビジネスの場面では使わないですね。
丁寧語は文章の最後に「です、ます」をつけます。

この応用として部下に指示する時は疑問形にします。例えば「この仕事、お願いしていいですか」「やってもらっていいですか」など。

敬語を使うメリットはいくつかあります。まずは上司であるなたが遠慮なく指示しやすくなることです。次に年上の部下が自分が尊重されていることがわかりプライドを傷つけられずにスムーズに仕事に取り組むことが出来ます。東洋的な部下として目上の人に対して礼儀正しくするんが自然な行動として受け入れられています。年上の部下に対して礼儀正しく敬語を使うあなたの言動を見聞して年下の部下もあなたに対しての人間的敬意が増すでしょう。ますで主な使うこれらのことから結果的にチームとしての生産性が上がります。

 

2.相手が乱暴な「ため口」で来る場合も敬語は使う

(1)相手が乱暴なため口で来たらどうするか?

相手が乱暴なため口で来たらどうしますか?元上司とか、あなたが昇格するまでで職場のリーダーだったとか、10歳以上年上の大先輩などの場合に良く起きます。知識もスキルもある先輩が会社のルール(役職定年制)で年下上司の部下にならざるをえない時は気持ちは複雑です。こういう方が偉そうな言い方をしても職場の周囲の方は違和感を感じないようです。こういう場合は心理的に大人になって敬語で接しりましょう。
反対にそういう方にこちらが敬語を使わない、ため口、見方にっては年上の方にぞんざいな口のきき方をすると、年上の部下のプライドは傷つきます。表面は穏やかですが、腹の底では不愉快に思っています。また周囲の年下の部下も「ぞんざいな口」をきく上司にいい感じを持たないででしょう。年上の部下が今まで通り「ため口」できても丁寧に対応する穴たん姿を見て「人格的に尊敬できるなあ」と思ってくれるでしょう。

(2)なかなか指示に従ってもらえない場合は?

時にはなかなか指示に従ってもらえない場合がありますね。そう言う場合はどうするか?答えはまさに「介護型リーダーシップ」です。
頭文字が「OMOTNAS(おもてなし)」~お願いします、まあまあ、教えてください、助かります/助けてください、何をおっしゃいますか、ありがとうございます、そこを何とか~の言葉を使うのがおススメです。。

「この仕事やっていただいていいですか?よろしくお願いします」
まあまあ、そう言わないでお願いしますよ」
「この仕事は、○○さんが得意な分野ですね、やり方を教えていただけますか」
「この仕事を担当していただくと助かります」」
「この仕事は気が向かないっですって?何をおっしゃいます!○○さんがやっていただければ皆勇気100倍ですよ、お願いします。」
「早速やっていただいたんですね、ありがとうございます。」
「この仕事はやったことがないということですか。そこを何とか工夫してやっていただけないですか」

お願い タヌキ
昔の自分の部下が今は年下の上司になり一生懸命やりながら、頭を低くして自分にお願いして来られたら、まともな神経の方なら「しょうがないな」と思って協力してくれる可能性大です。
年上の部下には「あいつは若いけど良くやるね」と思わせろ!

(3)関係が深くない場合も敬語を使おう!

問題は、他職場から転入して来た人や転職してきた人ですね。こういう方に困っていませんか?実はそれまでの上限の関係が深くない場合も敬語を使うことがお勧めです。基本は同じです。
こちらから(年下の上司)からは敬語で接する、これは変わりません。

3.敬語を使ってハッキリ注意したり、指示する

ダメだよ

(1)こちらを軽く見る無礼な態度だったらどうするか?

こういう他職場から来られた年上の部下が「ため口」をきいたり、こちらを軽く見る無礼な態度だったらどうしますか。特にお客様の前だと困りますよね。
これはきちんと注意しないとだめです。注意しないと、これでいいんだと思って増長するケースが多くなります。その場合、人前でなく、人がいない時に「その言い方は職務の規律上困ります。”です、ます”の丁寧語を使っていただけますか」とはっきり注意します。
こういう転入者はプライドが高く協調性のない方が多いのですが、上司に対する「ため口」をほっておくと回りの人からあなたのリーダーシップに対して不信感を持たれます。周囲の人からも煙たがれているか好感を持たれていないので、年下の上司が注意していることは好感を持たれます。

(2)年上部下が勝手に若い部下に直接指示する場合

年上部下が上司であるあなたに断りなく若い部下に指示されると困りますね。指示系統が混乱します。こういう場合ははっきりと「それは職務上、困ります」とハッキリ注意しましょう。これをやらないとあなたのリーダーとしてパワーが落ちてきます。

ただ経験値が高く専門性が高い年上の部下の場合、若手の教育係をお願いすることはありえます。いずれにせよ、職場のリーダーであるあなたの権限で役割を明確にすることが大事です。年上の部下とよく話し合う事が大事ですし、その役割をお願いしたことを他のメンバーにもはっきり知らせましょう。

4.聴き役になりましょう

よく聴く
敬語を使った話し方の次に大事なのは年上の部下の話を聴くことです。特に気持ちを聴きましょう。仕事に対してどんな気持ちでいるのかフリーに話してもらいましょう。
年上の部下は、年下の上司に対して複雑な思いを持っているかもしれません。頑固に見えるのは仕事に対しての独特の思い入れがあるかもしれません。上手く説明できないだけかもしれません。もしかしたら実力はあるのに過去に評価されなかった不遇の想いがあるかもしれません。
時には過去の成功話、自慢話に耳を傾けましょう。年上の部下は色々な経験をされているので参考になることも多いかと思います。傾聴をしていると相手を理解したい、一緒に仕事をしたいという年下の上司の気持ちは伝わり信頼につながります。

5.姿勢・態度が言葉以上に大事

面接2
中には敬語を使っているのに年上の部下から信頼がない管理職がいます。それは姿勢態度に問題があることが多いようです。
アメリカの心理学者メラビアン教授が唱えるのは信頼するには相手の言葉が8%、声のトーンが13%、残りは姿勢態度だと言います。いくら敬語で丁寧に話していても相手の顔を見ないとか暗い声のトーンの話かけ、威圧的な態度では相手は心を許してくれません。
まず相手の名前を呼びましょう。そして相手の顔を見ながら(アイコンタクトと言います)笑顔で依頼します。その時は体は正対します。斜めでは横着な印象を与えます。腕組はしてはいけません。部下が話して来たら最後まで聴きます。これを実行するだけで部下の信頼はグッと上がるでしょう。

6.相談しやすい雰囲気をつくろう

年上の部下を持つ管理職の皆さんは年上の部下の悩みをつかんでいますか?
先日の某社のリーダー研修でのことです。チーフ(監督さん)の悩みは仕事で困ったことがあっても年下の上司には相談しづらいということでした。年上の上司なら、一種の頼れる気持ちがあるので自然に相談しやすいのですが、年下の上司には弱みを見せるにはプライドもあって何となく構えてしまうとのこと。
また年下の上司の多くは若い年齢で抜擢されただけあって真面目で優秀ですが、いつも仕事を抱えて忙しそう。いわば「忙しい、話しかけるなオーラ」が出ていて相談しづらいといのことでした。それで相談をあきらめてしまうと言うことが起きているようです。中には早く相談すれば片付いた案件が手遅れになるということもあるそうです。
笑顔でデスクワーク

年上の部下が相談しやすい雰囲気を作ることを事例を挙げてご説明したいと思います。

(1)机にへばりつかず、顔を上げる

上司が忙しいと机に向かって顔を上げない時がありますね。「忙しい、時間がない、話しかけるなオーラ」が出ていて部下は相談することは遠慮しますね。重要な報告もまたにしようかなと思い重要なことが上に上がらないこともあります。
上司は机に座っても部下が来たらすぐ対応できるようにしたいものです。どうしても急ぎの仕事があるなら、早朝の部下がいない時に仕上げたらいかがでしょうか?

以上が出来るためには「心の空き時間=余裕」を作ることが必要です。いつも目先の仕事で一杯いっぱいになっているよ余裕がありません。そのためには仕事の効率化や部下に権限移譲する事が必要です。これはまた別途記述しますが、今日や今週やるべき仕事をリストアップして、重要度、緊急度で今日や今週絶対やる事、やらない事を決めていくことあG効果的です。

(2)マメに声かけしよう

その次に大事なのは仕事の依頼をするときだけでなく、普段からまめに声をかけることです。
「おはようございます」「昨日は体がだるいとおっしゃっていましたが、今日はいかがですか」
外回りの仕事から帰ってきたら「今日はどうでしたか、あのお客さん話しを聞いてくれましたか」
「○○の件で苦労されているとおっしゃっていましたが、どうなりましたか?」と相手の近況を聞きます。すると部下は自分に関心を持ってくれると思い、心を開き、喜んで話してくれます。目上の部下の心理としては自分が疎遠に思われているのではないかと被害者意識があるからです。部下が話してきたらその時は話を遮らずうなづき最後まで聴く、「聞き上手」になりましょう。

(3)日頃、部下が何に困っておくか知って置く

これはこちらから声がけしたり、朝のミーティングで今何をやっているかの情報共有や「チェックイン」が役立ちます。「チェックイン」は最近の研修の初めに行ういわば心の自己紹介にあたるものですが、「今、の正直な気持ち」や「今、仕事で気になっていること」をお互い1分程度で伝えます。
例「A商事さんに新製品の紹介小秋をしていますが、購買決定者に合えなくて困っています」
「B株式会社さんに納入した機械が調子が悪く昨日もお客様からお叱りを受けました。今日は陳謝と様子を見て来ます」
プライベートでも構いません。「実家の父が先週から体調が悪くなって入院しているんです。高齢だから心配なんですよ。」

(4)上司も短くていいですから、仕事に関しての情報や今、気になっていることをミーティングで伝えましょう。
リーダー(管理職)は一般職に比べるとお客様の状況、会社全体の状況、競合情報、新製品やトラブルの情報など数多くの情報に接します。また他の部下からも報告があるので一派の部下より視野が広くなります。そうした情報を気軽に部下に伝えましょう。ミーティングでもいいし日常会話でもかまいません。
「販売実績と今後の見込みを今日午前中に営業本部に出さないといけないので、午前中は相談は勘弁して欲しい。夕方ならいいですよ」

(5)明るい顔をしよう

笑おう
相談に行って叱られるんだったら部下は敬遠しますね。まずは上司として穏やかな表情をしましょう。
マナー研修や営業研修で顔の表情の訓練をしますが、口角を1cm上げる訓練をしておくと日常そうなります。私も昔「口がヘの字になって気難しそう。近寄りにくい」と言われたことがあります。それから意識して表情を柔らかくするようにしています。トイレに行った時に鏡を見て笑顔の核にをするといいですよ。
話す時の声の高さもドレミファソラシドの音階の中の「ミ、ファ、ソ」の高さが安定して聞こえるそうです。

(6)日常、暗い話題はしない

普段、他者や他の職場の悪口をしていると自分もいずれ言われるのかと部下から警戒されます。相手の良い点を見つけ、フィードバックしましょう。
また部下からは深刻な相談が持ち掛けられることもあるでしょう。親身に相談に乗ってアドバイスすることも大事ですが、困った話には肯定的な面も見るようにしましょう。
例「C社さんとのトラブルは困ったことだが、早くわかって良かったです。今から手を打てば充分挽回できますからね。早く報告してくれてありがとうございます。このトラブルを早く解決したらかえって信頼につながりますよ。ぜひ一緒に頑張りましょう。」

7.ほめる時は感謝の言葉で

感謝

(1)何歳になっても他者から褒められるとうれしい、感謝を表わす

何歳になっても他者から褒められるとうれしいものです。では直接、年上の部下に対して褒める時はどうしたらいいでしょうか?
答えは「感謝」です。例えば「この前は△の件でやっていただき、ありがとうございました。お客様も喜んでおられました」など。
技術レベルが上がったことに対して褒めるのは難しいですね。過剰なほめ言葉は相手は新人扱いにされたと思うし、上から目線になりがちなので注意が必要です。「□□技術をマスターされたんですね。努力されてますね」と事実ベースでシンプルに承認する方法が無難と思います。

(2)第3者から聞く「かげ褒め」は効果的

部下としては、上司にどう評価されているかは気になるところです。そこで、年下の上司がその上の上司に部下の良い報告をするんは効果的です。一つポジションが上の上司から「○○さん、いい仕事をしてくれたそうですね」と言われるのは悪い気がしません。直接褒めるのではなく、第3者から褒めてもらう、いわば「かげ褒め」が効果的です。
反対に自分の頑張りを上司は自分の手柄のように言ってるのではないかという疑心暗鬼の気持ちもあります。そこで管理職によっては自分が良い評価をした業績評価表そのものを年上の部下に見せる人もいます。ずいぶんオープンですが、そのまま上の上司に行くものなので年上の部下は安心します。

まとめ(7つのポイント)

1.年上の部下に対しては基本的な敬語(です、ますの丁寧語)を使う。
2.相手が乱暴な「ため口」で来る場合も敬語は使う。
3.言うべき時は、敬語を使ってハッキリ注意したり、指示する
4.年上の部下の気持ちを聴く。聴き役になりましょう
5 姿勢・態度が言葉以上に大事。
6.年下の上司として相談しやすい雰囲気をつくろう
7.ほめる時は感謝の言葉で

あなたは管理職、リーダーになったのは職務遂行能力や部下のマネジメント能力が優秀と評価されているからです。確かに年上の部下は年下の部下に比べて付き合いづらい点がありますが、一段大人になって付き合いましょう。部下には公平に付き合うのが基本ですが、年上の方には配慮するのが仕事をスムーズに行う必要なコミュケーションコストです。さらに管理職・リーダーとして成長できるチャンスを活かしましょう!
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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。国内外1500人のリーダー元気に課題遂行や部下マネジメント強化の研修を行ってきた。
日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
お客様の現場に入り問題解決し、「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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