年上の部下に困った時には「介護型リーダーシップ」がおススメ! 

管理職、職場リーダー、プロジェクトリーダーの研修講師をしていて、参加者からお聞きする一番困っていることは何だと思われますか?
ズバリ、「年上の部下・メンバーがいるが、どうつきあって良いか悩んでいる」ということでした。これは日本全国どこの会社でもお聞きすることです。
中には「自分が職場で最年少であり定年間際のメンバーを率いている」、「元上司が部下である」などのケースもあります。大変だなあと思うのは「お前が新人の時に俺が面倒を見た。いわば赤ちゃんの時におしめを替えたようなものだ。そんな俺に指示するのか。偉くなったもんだ」と言われ困り果てておられる方もいました。皆さん、どうされていますか?

実は私も工場の人事教育グループリーダーだった時や営業部門の管理職だった時も同じ年上の部下を持った経験があります。「お前の言うことは聴かん」と言われたこともあり、年下の上司のお困りの気持ちは良くわかります。

ここでは「介護型リーダーシップ」をお勧めしたいと思います。
元々はヒューマンバリュー社の高間邦男会長がおっしゃっていたことです。介護施設の若い職員がなかなか言うことを聞いてくれない利用者様(高齢者)を「まあまあ、そうおっしゃらずにこうしませんか」となだめて動いてもらうような関わり方が効果的と言う意味です。一見、世慣れたしたたかな対応にも見えますが、底流には「相手を受容し尊厳を大事にして素晴らしい成果を出す支援をする精神がベースにある」と高間会長はおっしゃいます。

私もこの言葉が気に入って、研修の時の説明に自分の経験も踏まえて5つの項目をお伝えしています。若いリーダーからは「目からウロコでした」と言う感想をいただくので現場には有効かと思われます。
この内容を何回かに分けてブログに書かせていただきますね。5つの項目とは
1.人生の先輩として尊重する
2.遠慮はしないが、配慮する
3.得意な分野をやってもらう
4.年下のリーダーとして一生懸命やる~得意分野を光らせる~
5.OMOTNAS(オモテナシ)
~お願いします、まあまあ、教えてください、助けてください、何をおっしゃいますか、そこを何とか~
今回は最初の2項目についてご紹介いたします。

人生の先輩として敬意を示す

何せ相手は年上で、自分より早く生まれ早く会社に入り自分とは比べ物にはならない多くの経験をされています。会社のルールとして、たまたま年下の上司を持つことになったが、正直面白くはないのが相手の心情です。アメリカでは年齢を気にしないので「やあ、トム」とか「やあマイク」などと年齢が20歳以上離れていても率直に声をかけあいますが、長幼の順を重んじる精神文化の日本では表面でこそ出しませんが、年下の部下から指示されるのを面白く思わないのは年上の部下の当然の心情でしょう。
そこで人生の先輩として敬意を示す必要があります。

1.必ず「さん」づけをする
2.敬語で接する
3.できないことを馬鹿にしない
4.職場を離れた懇親会、飲み会などでは上座に座ってもらう。時には乾杯の音頭や締めのスピーチをしてもらう。

花束 カード

5花を持たせる(持ってもらう)

私事で恐縮ですが、私の妻はハーモニカをやっています(50歳代)。4年前から地域の平均年齢74歳のハーモニカ愛好会のリーダーをやっています。昨年運よく全国のコンクールで団体優勝しました。結成15年で13年間は予選落ちだったのに、ついに地道な努力が実り快挙となりました。

妻の発案でコンクールの表彰式は前会長(80歳代)が賞状を受け取り、最年長84歳の女性がトロフィーを受け取るようにしました。私もその会場にいましたが、お二人ともステージの上で写真を撮ってもらい誇らしそうでした。地道な苦労が実って本当に嬉しそうでしたねえ。こういう席で「花を持ってもらう」のはいいことだと実感しました。

遠慮はしない

説明するリーダー

部下(メンバー)に仕事を割り振ってやってもらうのが管理職、リーダーの基本的な仕事ですね。営業であれば売上数字を担当エリアや業務遂行能力に応じて割り振ります。また緊急な業務があれば誰かにやってもらうこともあります。

大事なことは年齢が上でも遠慮せずに必要なことはハッキリお願いすることです。年上の部下にしてみれば年下の上司が自分に遠慮しているのは肌で感じるものです。適度に身体が楽なのは助かりますが、あまり仕事が少ないと自分が年だからと軽んじられているようにも感じます。

また年上の部下に指示できない仕事の分はリーダーが自分で引き受けますが、負荷になり長続きしません。また他のメンバーにしわ寄せが行くと職場の不満のもとになります。
そこで年下の上司としても遠慮せずに「こういう理由でこの仕事が必要なのでお願いできませんか」と依頼することが必要になって来ます。他のメンバーから見ても管理職やリーダーが公平感を持って仕事を進めているのは信頼関係を持つ上で大事なことです。

年上の部下のペースに配慮する

手すり

年下の上司として遠慮は不要だが、配慮は必要です。
年齢が50歳を過ぎると理解力や記憶力は落ちて来ます。個人差はあるでしょうが、体力、気力も落ちて来ます。特に今までと違う新しい機器・システムやIT絡みの技術は若い人の方が覚えが早いし応用が利きます。新しい技術絡みの仕事は年上の部下には習熟スピード、レベルには配慮が必要です。

ところで数年前のNHKのクローズアップ現代に「ユマニチュード(Humanitude)」と言う番組が紹介されたのをご存じでしょうか。フランスで開発された体育学から来た介護方法であり、フランス語では「人間らしさ」と言う意味だそうです。
日本の認知症施設で寝たきりで無表情・無反応だった方がわずか30分ほどフランス人治療者に関わっただけで、目がしっかり見開き最後に別れる時は治療者に手まで振るようになるほど変わっていきました。そんな姿が紹介された感動的な番組でした。

ユマニチュードのコツは、しっかり顔を見る、相手の名前を呼ぶ。高齢者は動体視力が衰えているから早い動作は避け、遠くから目の高さでじっくり近づく。「これから身体を拭きますよ、動けますか」と声をかける。「手は上げれますか」と尋ねる、介護者は相手の手首は掴まないで下から支える、など。
相手を動けない人と位置付けるのではなく、意思をもった尊厳すべき人間として扱うのがポイントでした。
これからヒントを得て言えることは、下記の事だと思われます。
1.年上の部下に新しい技術の説明をする時はゆっくり大きな声で話す
2.従来の慣れたシステムと関連付けて説明する
3.理解されたかどうかを一つずつ優しく確認する
4.年上の部下が時間をかけてゆっくり理解し学ぶのを許容する

まとめ

1.年上の部下とどうお付き合うするかに困っている管理職、リーダーには「介護型リーダーシップ」のアプローチが効果的
2.エッセンスは
(1)人生の先輩として尊重する
(2)遠慮はしないが、配慮する
(3)得意な分野をやってもらう
(4)年下のリーダーとして一生懸命やる~得意分野を光らせる~
(5)OMOTNAS(オモテナシ)
~お願いします、まあまあ、教えてください、助けてください、何をおっしゃいますか、そこを何とか~
3.人生の先輩として、敬語を使う、花を持たせる(持っていただく)
4.仕事のお願いは遠慮しないで、理由をあげながら丁寧に伝える
5.新しい技術が絡む仕事は、丁寧にゆっくりと、前のシステム・技術と絡めて、説明する。年上の部下が理解するには時間がかかることを許容する

蛇足になりますが、年上の部下に対して「これから介護型リーダーシップでおつきあいします」とは言ってはいけないのはもちろんのことです。
これから企業では定年65歳、70歳と雇用形態が変化し、ますます年上の部下が増えてくる環境になりますね。
素晴らしい先輩方とともに職場で成果を上げることを陰ながら応援しています。
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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
現場に入り問題解決し、お客様から「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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