テレワークの部下の「不安と孤独感」に寄り添う上司力 3つのポイント

テレワーク(リモートワーク)の推進され、4月は3月の倍の企業・官庁が採用されているとのデータがあります(テレワークの採用は27.9%、パーソル研究所調査)。
テレワークの良い点は感染防止に加え、通勤がない、家事が出来る、自由に仕事が出来る、集中出来るなどが挙げられます。

その反面、チームワーク不足、評価に対しての不安、などの問題が挙げられます。また職場の上司としても「部下の気持ちがわかりにくい」「部下が仕事をしているだろうか」という不安があります。
部下側も「買い物に行って感染しないか」「この先、会社は経済はどうなるのか」という新型コロナ感染拡大の環境による不安に加えて、「上司・同僚に気軽に相談しにくい」「コミュニケーションがないので、取り残されている感じがする」「上司は正当に評価してくれているのか」「生活が不規則になり、元に戻れるのか」と言う不安もあります。

前回は「マネージャーが上司として留意すること」をご紹介しましたが、
テレワーク時代に必要な上司の話しかけ方 3ポイント
今回はさらに部下の「不安と孤独感」に寄り添う上司の関わり方(上司力)をご紹介します。同時に上司の「不安と孤独感」を和らげる方法をご紹介します。

1.朝と夕方のオンライン・ミーティングを行う

(1)チェックインをする

プチトマト
これは前回ご紹介しましたが、オンライン・ミーティングの最初に全員が「近況や今の気持ち(嬉しい事、困っている事など何でも)」を話すのはおススメです。通常時間は1~2分。1人が発言中に他の人は質問や口出しないのが基本ルールです。
テレワークになると日常、職場の同僚や上司・部下との会話がなくなり、孤独感が増してストレスが溜まりがちです。自分の近況・気持ちを伝え、同僚の近況や気落ちを聞くのは楽しくリラックスしたものになります。
最初は上司から「今朝はマンションのベランダのプランターのプチトマトが大きくなって嬉しくなった」というような何気ない日常の出来事から話すのもいいですね。また「今朝の朝食は自分が当番だったが、卵焼きが半焼きで、高校生の娘からパパ、もー!って怒られた」など肩の凝らない軽い失敗談のご披露もいいですね。

部下の話を聞く時も上司として対面よりはレスポンスを大きくしたいものです。パソコンの画像に写る自分の顔は小さいので、部下は反応がわかりにくいのです。そこで、うなづきを大きくしたり、いいなと思ったら、拍手したり、親指を立てる「Goodマーク」もおススメです。著者も心理学などの勉強仲間や企業の人事担当者とZoomミーティングを行いますが、オーバーと思われるぐらいのアクションをする方がよりスムーズに意思疎通を図れるようです。

(2)今日の予定を共有する

スケジュールオンラインの予定表に入ってると思いますが、簡単でいいから朝のオンライン・ミーティングでは「今日はこういう仕事をします」とみんなの前で話しをしてもらいましょう。宣言すると部下にとって気持ちが引き締まります。上司として、文字情報だけでなく表情や声のトーンで部下の心理状態・健康状態がわかります。「元気がないなあ」など気になることがあればその場で声Wかけるか、追って1体で話を聞きます。

テレワークの問題点は働く人がマイペースで仕事をするので、時間管理が甘くなりがちです。その対策にもなりますね。またお互いの仕事のダブリや協力しあったりすることがあればその場で調整します。上司も気づいた点の助言や情報提供します。

上司としてもオンライン登録してある「今日のスケジュール」をを伝えます。上司の予定が部下にわかっていると部下も「今日はなかなか、報告に対して承認くれないなあ。御多忙なんだな」と分かります。また「3時から上司は空いているな。そこで相談しよう」と考えることが出来ます。

また会社の状況、イベント、よその部署の出来事も上司は意識して伝えましょう。上司にとっても当たり前の情報でも部下は会社の幅広い情報は役に立つし、刺激になります。

(3)夕方のオンライン・ミーティングも効果的

夕方17時半頃にまた集まってオンライン・ミーティングをするのもおススメです。「今日どのくらい仕事をしたか」の振り返りになります。
朝のチェックインに対して夕方のチェックアウトになりますが、1日終った時点での正直な気持ちをシェアするのも精神衛生上、効果的です。
Zoomミーティングではチャット機能があるので、同僚同士で「頑張ったね、」「すごい進捗で、私も励みになります」などと褒め合ったり感想を述べ合うのも良いでしょう。

テレワークの欠点は時間管理が難しい点ですね。第3者と接点がないとずるずる深夜まで仕事をしてしまい、心身の調子を崩してしまいがちです。夕方のオンライン・ミーティングは時間を意識して仕事をするためにも良い刺激になり時間管理の上でも有効です。
昼間に家事(子供の世話、介護、料理など)で仕事が中断することもあり。17時半が「通過点」になるかもしれませんが、今日はあとどれくらい仕事をするかの宣言は時間を意識して計画を立てるので生活にメリハリがつきます。

2.仕事の目標と進度をお互いに見れるようにする

(1)月と週の予定・進捗状況も共通ファイルに入れておく

今日一日だけでなく月と週の予定も職場の共通ファイル(イントラネットなど)入れておくようにしましょう。仕事の進捗状況も入れておき、他の人も見れるようにしておくと更に励みになります。
職場で同じ部屋で仕事をしていると、「あの人、忙しがしそうだな」「真面目にやっているな」とわかりますが、テレワークではわかりにくくなります。お互いの仕事の進捗が分かるようにしておくと刺激にもなるし、自分は見てもらっているかもと励みになります。
上司のテレワーク(リモートワーク)の不安の一つは「部下がちゃんと仕事をしてくれているか」なので、この共通ファイルを見ると進捗が分かります。

(2)上司はまめに見て、ポジティブなコメントを書きましょう

Good!テレワークの問題の一つは部下が「上司から正しく評価されているだろうか」と言う不安があります。職場で顔を合わせていると頑張りぶりを見てもらっている感覚がありますが、普段の姿を見てもらっていないテレワーク(リモートワーク)では不安になりますね。

忙しい上司もいますが、時間を取って部下の目標と進捗をこまめに見たいものです。見たらフェースブックの「いいね」ではないですが、「見たよ」という確認マークが入れられるようにしましょう。
「確認マーク」だけでなく、「ここ、いいね」とか「大変だったけど良くやったね」などのポジティブなコメントをいれると部下の意欲が上がります。

部下の不満の多くは上司からの「メールで”あれはどうなった?” ”これはいつできる?”という”無機質な(ドライな)”メールばかりで、心が萎えて枯れていく」と言うことです。感謝のいたわりの気持ちを添えてコメントしたいですね。
でもちろん「この案件は、Aさんに聞くと詳しい情報をくれるよ」とか「ネットの・・・・・を参考に」などの情報提供やアドバイスも部下の心に栄養材を与えるようで効果的と思われます。

部下の方に伺うと、「見られている」と言うのは「上司から監視されている」と「上司から関心持たれている」の二通りあるそうです。ネガティブなコメントが多いと「監視されている」と感じ、防衛的な気持ちになるようです。「上司から関心持たれている」と感じる方がやる気は上がります。上司は職場で顔を合わせている以上に意識してポジティブなコメントをしたいですね。

3.相互の自由なコミュニケーションの時間を作る

(1)相互コミュニケーション時間の設定 オンライン「スキ・スキ・カフェ」

カフェ
テレワーク(リモートワーク)だと上司だけでなく、先輩に若手社員が「ちょっとこれどうなんでしょうか?」と聞くのが出来ないですね。そこで、この時間になったらここでコミュニケーションできると言う「オンライン雑談部屋」を設定するというのもおススメです。ネーミングとして、スキ・スキ・カフェ(コーヒー片手にスキマ時間に好きな話しをする場)はいかがでしょうか。そこでは先輩・同僚と雑談が出来るし、仕事の相談もできます。上司として部下の空いている時間を見て設定しても良いし、中堅か若手社員にやってもらってもよいです。

フリーな場ですから、上司が参加する場合、仕事の進捗確認は別の場に譲って、仕事とは離れた話題をしたらいかがでしょうか。「散歩していたら、可愛い小さい犬を連れていたご夫婦と会ったよ」とか「断捨離していて、新品のジョギングシューズをメルカリに出したら2000円で売れた」など。

こういうミーティングの隠れた効果として、身なりの自己チェックに繋がります。テレワーク(リモートワーク)をするようになった人からお聞きする問題の一つは、通勤しない、会社の人と会わないので身なりに気をつけなくなるということがあります。オンライン・ミーティングや「オンライン雑談部屋」があると、そこに入る前に男性なら髭をそる、髪を整える、女性ならメイクをするなど、身なりの自己チェックが出来、気持ちが少し引き締まりますね。

(2)オンライン飲み会とオンラインラジオ体操(ストレッチ)・笑いヨガ

わらいヨガ
オンライン飲み会が流行り出していますが、かつての日本の朝礼時にやられたようなラジオ体操はいかがでしょうか?

テレワーク(リモートワーク)の欠点のひとつに運動不足がありますが、軽くストレッチや椅子に座って行うスクワットなどのエクササイズもいかがでしょうか。みんなでやっている連帯感にもつながり孤独感が減っていきます。

著者がおススメは、「笑いヨガ」です。「遊びましょ、遊びましょ」「ほっほっほ、わっはっは」「やったーやったー、イエーイ」など声を出しての「笑いヨガ」は笑いに免疫力アップにも役立ちます

「笑いヨガ」運動不足・うつ防止

まとめ

テレワークを進めるにあたって、職場のコミュニケーションが疎遠になりがちですが、次のような工夫をしてみませんか?
1.朝と夕方のオンライン・ミーティングを行う
(1)チェックインをする
(2)今日の予定を共有する
(3)夕方のオンラインミーティングも効果的

2.仕事の目標と進度を見れるようにする
(1)月と週の予定も共通ファイルに入れておく
(2)上司はまめに見て、ポジティブなコメントを書きましょう

3.相互の自由なコミュニケーションの場を作る
(1)仲間とのコミュニケーション時間の設定、「オンライン雑談部屋」(スキ・スキ・カフェ)
(2)オンライン飲み会とオンラインラジオ体操(ストレッチ)・笑いヨガ

これらが出来るとテレワークでのコミュニケーションは活発になり、不安と孤独感は感じないですよ。

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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。国内外1500人のリーダー元気に課題遂行や部下マネジメント強化の研修を行ってきた。
日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
お客様の現場に入り問題解決し、「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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