【頭にくる後輩・部下にはこの3つをやれ!】

企業の研修の際、職場の人間関係について中堅社員(技術系)の方々の声を伺うと、
「最近入った新人は知識はあるけど態度が悪い」
「言葉遣いが悪い。カチンとくるけど、どう言ってよいかわからない」
「専門知識は若い方が上なので、注意したくても反論されるのが嫌なので、なかなか言えない」
「今の仕事はこうやるのが正解と経験的に良いと思っているけど、うまく言えない。『昔からこうやってる』と言っても新人から『どうしてですか、理由を教えてください』と言われる。理屈っぽくてうるさい」
「お客様の急な依頼で残業をやらないといけないと言うと、『マジ?』『無理』とため口で言ってくる」

言葉使いを直そうとするとうるさい先輩をと言われてしまうのではないかと思い遠慮してしまいます。
「バカヤロー、仕事ってのはそうじゃないんだよ」と言いたいところだが、近年はパワハラと言われるのでズバッと注意はできないと思ってるそうです。
どうしたらいいでしょう。悩みは大きいですね。

今回のは「生意気な後輩」に先輩(特に10年以上年の離れた)や上司がどのように対応したら良いかをご紹介します。きっとすっきりして、後輩と接するのがいやではなくなりますよ。

対応策はズバリ、次の3つです。

1.カチンと来たら”Iメッセージ”で

まずは、自分を大切に!

まずは先輩の民様! 自分を大切にしましょう。
後輩が失礼な言動をしてカチンとくるのは自然な感情です。怒りは自分の権利が侵された時に起きる自然な感情です。職場の中では先輩としてリスペクトされて当然ですが、それを無視されると不愉快になるのは自然です。

こうい小さな不愉快な、一種の怒りの感情を抑えすぎると反動が出ます。
内向的な方はストレスがもとで胃や心臓などの内臓のバランスが取れなくなります。外向的な方は怒りが溜まって新人との普段の会話がつっけんどんになったり、ちょっとしたことで強く言いすぎになったりします。いずれにせよ健全ではありません。
まずは自分に自分で「そうだね、頭にくるよね」と語りましょう。自分の心の中にいる小さな子供を優しく撫でてあげるイメージです。セルフコンパッション(自己慰撫)と言います。

”I(アイ)メッセージ”で相手に伝える訓練をしましょう

そして新人への伝え方を訓練しましょう。”Iメッセージ(アイ・メッセージ)”で相手に伝える訓練です。
”Iメッセージ”とはI(私)を主語に「私はこう感じる」と相手に伝えることです。この反対は”Youメッセージ”で、あなたを主語にすることです。「あなたは態度が悪い」、「あなたは言葉遣いが悪い」と相手の行動をストレートに伝えると関係が悪化します。

「ちょっと、今の言い方、私はカチンときた」「今みたいな話をされると私はがっかりするよ」「今みたいな反応だと重要な仕事と思ってくれているのかどうか私は不安になるよ」など自分の気持ちを自分が主語で伝えます。これは相手を傷つけずに自分の気持ちを率直に伝える効果的なやりかたです。

気持ちを伝えるのが苦手な人は自分の身体の感覚でもいいでしょう。
「それを聞いて私はドキドキした」「聞いているうちに私のおなかが熱くなった」
「聞いているとなんだか胸がキューとするのを感じる」

これはゲシュタルト療法の応用です。優秀なプロのカウンセラーも使います。
ゲシュタルト療法とはドイツ生まれのアメリカの精神分析医フリッツ・パールズが開発した心理療法で、自分についてや相手との関係に気づくことに大きな効果があります。
ゲシュタルト療法では身体と感情、考えが繋がっていると考えます。身体の声に耳を澄まし、身体の声を相手に伝えましょう。

2.相手の事も考えよう

このまま新人や若手社員がマナーも知らないでベテラン社員になったらどうなるかを考えましょう。お客様に対しても悪い印象を与えるから会社にとってもマイナスですよね。
今のベテラン社員ももとはと言えば先輩から教えてもらったんですね。一種の恩返しをする気持ちで接したらいかがでしょうか?
また話の内容も「そのままでは君が損をする」と言うベースで話せば受け入れやすいと思います。

また新人がどんな気持ちで仕事をしているか言動を観察してましょう。
これもゲシュタルト療法から来た、「相手になってみる」という手法です。相手の言葉や表情、姿勢・態度、動作などをよく観察しながら、実際に相手になってみるような体験をすると「恥ずかしかっているんだな」「不安なんだな」「自分をアピールしたいんだな」「威張りたいんだな」と新人の気持ちが分かることがあります。

3.具体的な事実に基づいて冷静に落ち着いて新人に伝えましょう

先輩は若手社員にいきなり「その態度は何だ!!」と言うような伝え方では、相手は受け入れてくれません。まずは「いつ、どんなことをしたのか」の事実を伝え相手に認識してもらうのが基本です。

例えば、「お客様との打合せの際、ポケットに手を突っこんでプレゼンしたよね。お客様の表情を見ていたかい?」と事実をもとに伝えます。
例えば「お客様はうなづいていなかったよ。後で聞いたら”お宅の若い社員、少し横柄な態度だったよ”とおっしゃっていたよ」と言うように事実を伝えます。

そして、それが何故問題なのか伝える事です。
たとえば「人前でプレゼンする時は手はポケットに手をつっこんでいると、見た目もよくないし、本音を言わず隠し事をしているの勘ぐられることもあるよ。やはりプレゼンする時はポケットから手を出すこと。質問に答える時も同じだよ」と伝えます。

それをやっていると新人にとって社会人として損をすることをベースに伝えます。
たとえば「せっかく専門性が伝わる良いプレゼンをしていても、プレゼンの態度がマナーに反しているとお客様に通じず損をするよ」と短く端的に伝えます。

相手の言い分も聴こう

先輩や上司が新人・若手社員に言いっぱなしでは一方通行で、納得感がありません。
相手の「実はこういうつもりでした」と言う一種の言い訳も聴きましょう。
その際は否定せず遮らずに聴きます。そして最後に「君はそう思うんだね」と受け入れましょう。
そして再度「ここがまずい点だと自分は思うよ」と伝えましょう。この繰り返しです。
一方通行よりはずっと納得感があります。

まとめ

新人や若手社員が先輩に横柄で生意気な口の利き方をするとカチンとくることありますね。ビジネス上のマナー違反も同様です。ただ専門知識のある後輩に対しては言いづらいですね。
その時の対応の仕方は次の3つです。
1.私はこう感じたという”I(アイ)メッセージを伝えよう
(1)ベテラン社員のあなたがカチンとくるのは自然なこと。遠慮することはありません。自分を大切に!
(2)私はこう感じるという私(I)が、を主語にした”I(アイ)メッセージ”で気持ちを伝える。
(3)気持ちを出すのが苦手な人は自分の体感覚を伝えるのも効果的です。

2.相手のことも考えよう
(1)相手が社会人として成長するようあえて嫌なことも言う。
(2)相手になってみて気持ちを理解する。

3.具体的な事実に基づき冷静に落ち着いて伝えよう
(1)事実で伝える。
(2)それがなぜ問題なのか丁寧に伝える。
(3)一方的に伝えるだけでなく、相手の言い分も聞き納得感を高める。

これらを先輩社員が実践すれば、後輩とのコミュニケーションはスムーズに行き、イライラすることは大幅に減りスッキリすると思います。

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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。国内外1500人のリーダー元気に課題遂行や部下マネジメント強化の研修を行ってきた。
日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
お客様の現場に入り問題解決し、「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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