サラリーマンにとってどんな仕事につくかとどんな上司の下になるかは一大関心事ですね。中には嫌なひどい上司の下になって不快な思いをしたりストレスが溜まったりしている方もいるかと思います。
上司は自分では選べません。実際に嫌なタイプの上司に当たった時はどうしますか?今回はそれを考えてみます。つらい気持ちがすっきりしますよ。
ひどい上司、嫌な上司の例
研修で実際に耳にするひどい上司、嫌な上司の例を挙げます。
・仕事の指示があいまい。仕事を丸投げする、指示がコロコロ変わる。
・部下のキャパシティを考えず大量の仕事を指示する
・「こんなことやって会社が発展するのか」と感じる意味や意義の感じられない仕事を指示する。ひどい場合はコンプライアンス違反になり社会から制裁を科せられかねないことまで指示する。
・感情的になり皆の前で怒鳴る、失敗したら部下のせいにする(責任回避)
・公私混同する、人や仕事の好き嫌いが激しい。
・仕事ができない(専門知識がない、判断したことが説得力がない)。質問しても曖昧で逃げ腰。
・決めるべきことを決めないで先送りする、失敗を恐れて新しい事に挑戦しない
・部下に情報を流さない、仕事をためる、早くから分かっていたことなのに直前に仕事を指示する。
・仕事はできるが、理屈っぽい。細かい。
・要求が厳しい、絶えず報告を求める、チェックが多い、叱責が激しい、部下が疲弊しても気にしない。
・上を見た仕事。部下の手柄を自分のせいにする。嫉妬深くて部下がいい仕事をすると嫌みを言う、など。
いやはやすさまじいですね。
ひどい上司の部下になった時は?
こういうひどい上司に巡り合った時は皆さん、どうしますか?
私は対応する方策は3つだと思います。
1.3年間、我慢する
2.上司を立てる
3.会社を辞める
びっくりすると思いますが、一つずつご説明しますね。
1.3年間は我慢する
日本の組織は職場異動があるので、3年経つと上司か自分が動くことが多いので、その間は我慢すると言うのが一つのやり方です。ただ我慢し心を殺してもストレスがたまりますね。
ストレスがたまらない人はいないのでしょうか?
先般、一部上場企業で活躍されているある役員さんとお話しする機会があり、その内容が素晴らしかったのでその話をご紹介します。
この役員さん部下からの人望が厚くこの人の部下になると部下が成長するといわれる名マネ―ジャーでした。この役員さんがおっしゃる「変な上司、嫌な上司に会った時の心構え」は参考になります。
この役員さんが言われるのは「今まで20人くらい上司にお仕えしたが、本当に尊敬できる人は2人か3人だった。尊敬出来ない上司の元で働くのは、はしごを外されたり大量の仕事を指示されたり、つらかったけど、こうはなるまい、自分が部下を持った時は逆のことをしようと思った」とのことでした。
その言葉を実践した結果、部下から慕われ尊敬される上司になったとのこと(ご本人はそうは言いませんが、部下の証言より)
その例は
・方針だけ出してあとは部下に任せる
・部下が失敗したら、自分のせいだとして関係部署に謝りに行く
・自分のアイデアで部下に指示し、それが成功したとしても、部下の成果として周囲に伝える
・部下のキャリアに合った仕事をやってもらう
・部下が頑張っている姿をよその職場で吹聴する(いわゆる「陰褒め」)
・部下の次の活躍の場所を見つけて、次の職場に推薦する
こういう上司には会いたいですね。
嫌な上司の下になっても黙々と仕事をされていたそうです。そのコツは
・上司の指示は「はい、かしこまりました」と受ける。
・曖昧な指示は「こういうことに理解しましたが、いいでしょうか」と確認する。
・人が傷ついたり、コンプライアンスに関することは穏やかに「こういうリスクが発生しかねませんが、どうしましょうか」と確認する。
・仕事の納期はぎりぎりで提出する。上司が仕事の指示を忘れている場合があるし、早く片付けると次の仕事を指示されるから消耗しないようにする。
2.上司を立てる、サポートする
「えっ」と思う人がいますよね。
「あんな嫌な上司でも立てないといけないのですか」「おべっか使いと言われるのは抵抗があるなあ」と言われそうです。
実はこれは筆者の実感なんです。
筆者はサラリーマン時代、上手くいく上司と上手くいかない上司がいました。上手く行かない上司は仕事ができないとか新しいことに取り組むのに臆病な上司でした。私はバカにしていました。当時私が上司に対して発した言葉は正論でしたが、結構失礼な物言い、思いやりのない言動をしていたと思います。今思うと大人げなかったと反省しています。
ある時、人事部門に配属になって、役職者の業績評価シートを見る機会がありました。そこで驚いたのは「なぜあの人は出世するんだろう。仕事はそんなに出来ないのに」と思っていた人が実は上司(多くは役員、癖のある方が多い)の評価がいいんです。つまり、癖のある上司でも、そんな上司に対して文句を言わずに陰ひなたなく上司を助けている部下の評価は高いんです。上司にとっては「自分の不足を助けてくれる、可愛い部下」ということになります。結果として評価されるわけです。
それまで私は仕事ができて、会社に貢献していれば業績評価もいいし出世もするだろうと思っていましたが、実際は違うようです。
組織は感情を持った人から構成されるんです。仕事の実績だけでなく、好き嫌いが反映されます。「仕事で実績さえ上げれば評価されると思った自分は甘かった」と思った瞬間です。
そこで皆さんにお薦めしたいのはどんな嫌な上司でも、上司のお困りごとを見つけて助けてあげる。上司が仕事をしやすいように陰ひなたなくサポートすること、です。
具体的には
・上司のスケジュールや言動に関心を持つ。今、上司が困っていることや欲しい情報がわかるかと思います。そこで関連する情報や必要な資料を提供します。
・上司がやっている書類作成の下書きをする。週報、月報や場合によっては役員会への資料、顧客や社内でのプレゼン資料です。慣れないうちは大変ですが、上司の視点で書類を作成するのであなたの視点が上がり視野が広がります。
もしかしたら上司への「おべっか使い」「ゴマすり」と感じ抵抗があるかもしれません。
その時は組織・チームとしての一体感・生産性を考えましょう。上司がいい仕事をし評価が上がり気分よく仕事をしていれば組織、チームの生産性が上がり実績が出ます。自分の仕事もしやすくなります。
大きな目で組織・チームを見ていけばあなたもさらに成長するでしょう。
3.会社を辞める
これは極論ですが、嫌な上司とつきあうのが嫌なら会社を辞めて独立するのがおススメです。
ただし独立するには世の中で通じる専門性(卓越した強み)が必要ですし、自分に注文を出してくださるお客様=人脈も必要です。その準備を時間をかけて進めていく必要があります。
また独立してもお客様とのお付き合いがありますので、嫌なタイプのお客様と巡り合った時はまたストレスを感じるかもしれません。
いずれにしても、嫌なタイプの人とうまく付き合っていくのは人間社会で生きていくには必要なことですね。
まとめ
1.3年間は我慢する
その分、嫌な上司を反面教師にして。部下を持った時には逆のことをする。結果として部下が育ち、慕われることになる。
そのために指示された仕事はきちんと仕上げる。曖昧な指示は明確にする質問をするなど工夫は必要です。
2.上司を立てる。
嫌な上司であっても上司の苦手なことを発見しリカバリーする。上司のスケジュールや日常の言動に注意し、
必要な情報や資料を提供する。上司がやっている資料作成の代行を行うなど。
3.会社を辞める。
嫌な上司からは解放されます。ただし、専門性や人脈が必要です。再び嫌な顧客と出会う可能性もありますが。
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