パワハラにならない叱り方その4 こうやって叱ろう!7つの方法

前回は叱るタイミングと場所について書きましたが、今回はいよいよ部下の叱り方をご紹介します。これを実行すればあなたは「叱り名人」です.

叱る前にやんわり警告しよう

いきなり部下を叱っていませんか?一番非効果的なやりかたですよ。本来の目的の「部下の成長を願って叱る」つまり「部下に気付いてもらい今後正しい行動をしてもらう」という目的から外れます。部下をキズつけて働く意欲を無くすことにもなりかねません。今号では効果的なやり方を紹介します。

まず「鈴木君、ちょっといいか?」と笑わないでやや厳しい顔で別の場所に部下を呼びます。これが大事です。部下は叱られるのかと適度に緊張します。その場で大きな声で叱るのは持っての他ですよ。
最近の脳神経科学では部下に恐怖を感じさせると考えなくなると言う事が証明されています。人間の脳には目や耳、舌、肌からの5感の刺激を受け入れる扁桃体と言う器官があります。ちょうどアーモンドのような形をしています。強い恐怖を感じると偏桃体が興奮して機能しなくなります。考えて行動するもとになる前頭葉に信号を送らなくなります。まさに文字通り 頭が真っ白になります。

それを防ぐために大きな声でいきなり叱ってはいけません。ただ部下も叱られる準備をする必要があるので「ちょっといいか」と真面目な顔をすることで警告します。

怒るボス猫

何故叱られるのか理由がわかるように

叱られるのは部下が納得できるようにする必要があります。常日頃から言っていること、大前提の職場のルールに反することを叱り伝える必要があります。
製造の職場では例えば「ヘルメットをかぶる」「回転物には手を出さない」「階段は手すりを持つ」「薬品を扱う時は防護眼鏡をする」など色々決まったルールがありますね。
営業の職場では「社外秘は口に出さない」「お客様との約束を守る」「経費処理は期日内にルールを守って行う」などありますね。
技術系の職場では「憶測ではなく、事実データでものを言う」「技術レポートを残す」などがあります。
いずれにせよ、自分の身を守る、仲間やお客様に迷惑をかけない等が基本です。これらが守られている職場の士気は高いので相互に守るようにすることが必要です。
納得!

叱る時は事実ベースで冷静に

上司が直接見ていたら「今、ヘルメットをかぶらないで、製造現場に来たね」「この書類は指示したこととは違うよ」とその場でルール違反や指示違反を伝えます。
上司として直接見ていなくても、部下が叱るべきをことをしていることを伝聞したら、「こういうことがあったのは事実かね?」とまずは部下に事実を伝えます。上司から推測や憶測で言われたのでは部下は反発だけで話を聴きません。部下本人にはまずいという認識がない場合があるのでので、事実ベースでのどの行動がまずかったのかしっかり確認することが重要です。その際、部下目線に立て理解してもらうように伝えます。あくまで事実の確認にとどめておくことが必要で「やる気がない」「注意力が足りない」などと主観で決めつけては部下のやる気がなくなります。
上司の話しと部下本人の話しが食い違う時は事実を確認します。
もちろん、上司としては怒りを抑え、冷静に伝えたり会話をすることが大事です。
事実で叱る

本人の話も聴く

一方的に伝えるだけでなく本人の事情も聞きます。例えば新人が遅刻を数回するのは、通勤に慣れていないとか、前日遅くまで遊んでいて朝起きれない等の事情もあるかもしれません。その場合は原因に対応できる生活指導も行う必要があります。またベテラン社員の場合は親の介護が必要になった場合もあるかもしれません。事情を聴きながら、本人が叱られることにならないように話し合いましょう。
状況確認

今後の望ましい行動を具体的にはっきり伝える

叱ることのもとになった行動を指摘するだけでなく今後はどうして欲しいのかを具体的に伝えます。
例えば「製造現場に入る時は必ずヘルメットをかぶること」「集合時間は守る。遅くとも5分前には来ていること」「お客様との約束はメモに書くこと。復唱すること、約束が守れなくなる時は早く連絡すること」と具体的に伝えます。

成功 失敗を伝える

 

短く伝える

叱る内容が正しくても、あまり長い時間をかけて叱るられると部下もうんざりします。くどくど同じことを繰り返すのではなく、短く具体的に伝えましょう。

最後は笑顔で

話の終わりは明るく「以上、終わり。君には期待しているんだから頼むよ」ときっぱリ終わり、「では仕事頑張ってね」と励まします。叱られる部下としては自分が上司に見放されたのではないかと言う恐れもあるので上司の明るい笑顔にはほっとされます。

笑顔の上司

まとめ

1.叱る前に警告しよう
2.何故叱られるのか理由がわかるように
3.叱る時は事実ベースで冷静に
4.本人の話しも聴く
5.今後の望ましい行動をはっきり伝える
6.短く伝える
7.最後は笑顔で

かつて私の上司で「10年後の君(部下)に感謝されるよう叱っている」という方がいました。まさしく今「あの時叱ってくれて良かった」と感謝しています。
叱られて部下がむしろ意欲アップするような叱り方を研究したいですね。
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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。国内外1500人のリーダー元気に課題遂行や部下マネジメント強化の研修を行ってきた。
日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
お客様の現場に入り問題解決し、「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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