パワハラになるのを恐れず、部下を叱る方法

管理職の研修をしていて受講者からお聞きする「マネジメントで困っていること」の一番多いのは部下を叱れないことです。どうしてそうかと言う推定原因は、管理職になるには業績優秀な方が多く自らが叱られる体験が少なかったこと、今までの上司が優しくて叱られた経験が少ないこと、または反対に元の上司の叱り方がうまくなく部下を叱ることに拒否反応があることでしょうか。

また近年、問題になっているパワーハラスメント(略称:パワハラ)と言われるのが怖くて上司として叱るべきと思っても一歩前へ出れないということもあります。加えて社員のメンタル疾患が増えているので、叱ったために部下が出社拒否になったら困るので躊躇するというのがありますね。確かに近年の若い社員は叱られ慣れていないのでちょっと叱っただけで会社に出てこないと言うこともあるので、より神経を使うことが必要でしょう。

部下を叱る必要性

ところで職場のマネジメントで叱ることは必要ないのでしょうか。心理学者の中には、褒めればよい、叱るのは必要ないと言う方もいます。これには多くの心理学者が反対します。人の成長には「これはやってはいけない」と言うルールをしっかり伝えないと社会人としてのルールを踏み外します。私のお手伝いしている会社の例を見てもでも、管理職が叱らないので部下が平気で遅刻する、社内ルールを破る、お客様にぞんざいなことばを使う、社内機密を外部に漏らすなどの問題行動を起こす部下が出てきた事例を多く知っています。叱らないと上司は部下から軽く見られて好き勝手にやりだしルール違反を起こすようになります。管理職として組織を統制できなくなるし、発信力や存在感がなくなると言うことですね。叱ることは必要です。

視点を変えて部下側で言うと、叱られることで足りない事考え違いに気づき成長すると言う良い面があります。社会人、ビジネスマンとして成長する機会を無くすと言うことです。私も個人的には色々な上司にお仕えしました。叱らない上司もいましたが、何回も叱ってくれた上司がいました。その時は反発してもあとで「よく言ってくださった」ありがたいと思う時があります。

ただパワハラと言われるのは嫌ですよね。このブログではそうならないように叱り方を学びましょう。
叱るはスポーツや音楽と同じ、原理原則を守りトレ―ニングすれば上手くなります。
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効果的な叱り方は次のステップがあります。叱る前の心構え、叱る前に確認すること、叱る、叱った後のフォローの4つです。
今号では、叱る前の心構えについ手お伝えします。
だめだよ!!

叱る前の心構え=叱ると怒るの違い

叱る前の心構えすなわち叱ると怒るの違い。良く対比されるこの二つの意味の違いはわかりますか?

怒るは「起こる」で怒りの感情が上がってくること。叱るは部下や年下の良くない行いを強くとがめること。ある目的に向かっている指導など。下記がその対比の一覧表です。

怒 る 叱 る
イメージ For Me(ネガティブ) For You (ポジティブ)
意味・目的 自分の利益、被害、保身 相手の成長機会、望ましい行動のための動機づけ
伝え方 場当たり的、批判的・感情的、コントロールできない 計画・目標があり、冷静、戦略的
上司の意識 恐れ、無関心、自分本位 期待、認めている、相手本位
結果 やる気がなくなる、信頼ない、成長に繋がらない やる気、信頼、成長

一番重要なのは叱られる対象の部下の中期的な成長を考えているかどうか、です。例えば、時間にルーズで遅刻する、書類の提出納期を守らない、計画的でなく思い付きで仕事をするので周囲が迷惑する。仕事のやり方がマイペース、上司に報告・連絡・相談をしないので後でトラブルになった時にフォローのしようがない。明るく元気な性格は職場の雰囲気づくりにはいいが、時々不用意な言動をして職場内外の人の感情をキズつける。お客様に対して軽口をたたいたので会社としてクレームを受けたなど。

叱ることで部下がこのままではいけないと思い行動を変えることで成長するように上司が考えているかかどうかの視点は重要です。叱ると部下が反発したり落ち込んだりする場合がありありえますので出来れば避けたいものです。また自分も気分が良くないので気が進みませんね。そこは部下の成長に責任を持つ上司の役割を自覚してしっかり叱りましょう。私も個人的には色々な上司にお仕えしました。叱らない上司もいましたが、何回も叱ってくれた上司がいました。その時は反発してもあとで「よく言ってくださった」ありがたいと思う時があります。叱る時の心構えは短期的でなく「10年後の部下の行動に役立つかどうか」が良いかもしれません。
叱ると言う言葉に抵抗があるなら「部下の成長のため注意」と言う言葉でも構いません。その際に、上司として興奮して上ずったり、個人的な怒りの感情がベースになって伝えると部下が反発して趣旨が伝わりません。怒りたくなるのは人情ですが、表に出してはいけません。叱る前にそこをしっかり自ら確認しましょう。

丁寧に叱るコックのボス

まとめ

1.近年のマネジメントでは叱ることが苦手な管理職が増えています。本来、職場の規律維持や部下の成長のために叱ることは必要です。
2.パワハラと言われないように、このブログおよびチェックシートでしっかり学んでくださいね。
3.叱る前の上司の心構えとしては、叱ることが部下の中長期の成長につながるかどうかです。自分の感情の赴くまま、感情的に叱っては部下に趣旨が伝わりません。

これを実践していけばパワハラと言われることはないでしょう。

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藤原勝

藤原勝

【経営理念を浸透させることで主体性を引き出すプロデュ―サー】

ビジョンカムトゥルー株式会社 代表取締役。国内外1500人のリーダー元気に課題遂行や部下マネジメント強化の研修を行ってきた。
日本ゲシュタルト療法学会公認トレーナー。TA研究部会運営委員長。剣道教士七段。三重県生まれ、大阪育ち。
お客様の現場に入り問題解決し、「どうしてうちの会社の事がそんなにわかるのか」と言われる。経営者の経営理念を基に管理職が中期ビジョンを描き、本気の部下たちを率い実践することで国内外の企業を元気にしたいと想い東奔西走中。

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