前号では上司がパワハラを恐れず叱れるための総論をお伝えしました。今回のブログでは何を叱るかについてお伝えします。これを実行することであたなは叱ることで部下を育てる管理職になることが出来ますよ。
前号でお伝えしたように管理者研修をやっていて、「マネジメントで一番困るのは何ですか「とお尋ねすると部下を叱ることという回答が圧倒的に多く聞かれます。
何故叱れないのか?
では、何故叱れないのでしょうか?
管理職の方に叱れない理由を伺うと、自分が今まであまり叱られてきていないので叱り方がわからない、嫌われるのが嫌、部下との関係で気まずくなるのが嫌、パワハラと言われるのを警戒している、何を叱って良いかわからないなどがあげられます
叱り方が分からない人はこのブログのシリーズで具体的にご説明していきます。
嫌われるのが嫌、部下との関係で気まずくなるのは嫌と言う方は上司としての使命を感じてください。上司は部下を育てる必要があります。重要なのは叱られる対象の部下の中期的な成長を考えて伝えるべきことを伝えないといけません。叱ると言う言葉が強いなら「注意する」でも構いません。部下が成長するためによくないと思うことはしっかりフィードバックします。
また近年問題になるパワハラが怖いと言うことはわかりますが、パワハラにならないような叱り方もこのブログでお伝えしていきます。
最後の理由の叱れない、叱る気にならない方は視点を広げることが重要です。私も30歳前後で複数の部下を持った時はそうでした。自分も不足点が一杯あるのに叱れなかったですね。これは認識を変える必要があります。部下を叱るには部下にこうなって欲しいと言う要望を整理しておく必要があります。部下にどうなって欲しいかを考えておく必要があります。そのためには叱る内容の事実の整理、何を改善して欲しいか良く整理して臨みましょう。そうしないと叱る途中でブレてきます。子育てと同じですね。出来ればこうなって欲しいと言うことを普段から伝えておくことが望ましいかと思います。
何を叱るか(What)を明確にする
叱ることを5W2Hに分けてご紹介します。5WとはWhat(何を叱るか),Why(何故叱るか)、When(いつ叱るか)、Where(どこで叱るか),Who(誰を叱るか)、2HとはHow((どの程度叱るか),How much(どの程度叱るか)のことです。
何を叱るか(What)についていくつかのカテゴリーをご紹介します。
1.他人に迷惑をかけない、会社のルールを守る
例 会社の機密条項を外へ漏らしたりずさんな管理で書類を無くしたら叱らないといけないですね。
業務上交通ルールなどの違反があればもちろん叱ります。
お客様との約束を破った、連絡しなかった場合も含まれます。
2.職場の目標達成に対して不十分な場合
通常QCDと言います.Qは品質・機能、Cはコスト、Dは納期です。これに加えてTチームワーク(人間関係)を入れましょう。これらが不足の場合はしっかり伝えます。
例 Q 仕事は早いが、ミスが多い ⇒見直しをすること
仕上がりが雑である ⇒丁寧に神経を使って仕事を仕上げること
言葉使いが乱暴でお客様が不愉快になる⇒言葉遣いを丁寧に!
C 無駄が多い、経費の使い方が乱暴 ⇒予算を考えコスト意識を持たすこと
D 納期に間に合わない懸念がある⇒計画を立てる、納期から逆算して今やるべきことをやること
T 他メンバーが困っているのに協力しなかった⇒進んで協力すること
上司に報連相しない ⇒メモでもいいから報連相をする。報告をやって仕事は終了
会議に出ないなど ⇒情報共有のため必ず出ること
3.特に大きな問題ではないが今後の成長を考えると改善強化したいもの。
ある意味では将来の成長のために一番必要な叱りですね。
例 言われたことはきっちりやるが、こうしたいと提案がない⇒もっと提案してください。
仕事上でどうなりたいかのビジョンを感じない ⇒こうなりたいと夢を語れ!
会議での発言が少ない ⇒間違いを恐れず発言を増やせ!
自分の担当の仕事だけやっていて他メンバーの牽引が少ない⇒他メンバーにもっと関心を持つこと
何故叱るか(Why)を丁寧に伝える
同時に何故叱るかの理由付けも必要です。一番の望ましいのは普段からこういうことを大事にしていこう、こういうことはやらないで欲しいと管理職が常々言っておくことです。
すると部下も叱られた時に「まずかった」と気が付きやすいです。問題はなぜこういうことで叱られないといけないのか部下が理解しがたい時です。そういう時には丁寧に冷静に伝えます。教え諭すに近いイメージなります。
まとめ
1.上司として何を叱るかを明確にしておく
(1)他人に迷惑をかけた場合
(2)職場の目標に対して不十分な場合
(3)今後の成長を考えるとっ改善強化が必要なもの
2.何故叱るかの理由を明確にする
日常、どんなことをして欲しいのか、してはいけないのかを管理職が伝えておくことが必要
そうでない場合は、丁寧に具体的に理由を伝えること
これが出来ればあなたは叱ることのプロフェッショナルです。
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